朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」四月
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。四月の兼題はサイトより、今月の季語「鳥の巣」、花「ユーカリ」、江戸の味「桜えび」です。
【特選】
桜えび朝日におどる天日干し 裕子
広い干場に桜海老を撒いていく様子。「朝日におどる」が新鮮な桜海老を思わせます。原句は「桜えび朝日におどり天日干し」。
桜海老煎餅割つて飛び出さん 和子
桜海老を焼き込んだ香ばしい煎餅。煎餅から飛び出さんばかりの桜海老とは美味しそうです。原句は「割りて」ですが、「割つて」の勢いがほしいところです。
【入選】
君待てば天道虫がブローチに 勇美
初々しい恋心。天道虫がブローチのようだという発想はあるので、より普遍的に詠みたい。「君待てば天道虫が胸の上」など。
巣箱揺るる砲声二発湖の上 和子
砲声が巣箱を揺らすようだという発想は新鮮ですが、色々入れ込んで句がごちゃついてしまったのが残念。自分が何を言いたいのかに焦点を当てたい。「一発の砲声に揺れ巣箱かな」など。
ユーカリの風をはらむやサンシェード 勇美
「ユーカリの風」が涼し気です。
春スキー滑り下りれば花の里 和子
雪の山から花の里へ、一気に変わる風景は春スキーならではです。「花の里」が少々平凡なので、より印象的な情景でよりダイナミックな一句にしたいところ。「春スキー滑り下りれば桃源郷」など。
ユーカリの香り纏ひて山の道 和子
ユーカリの香りに洗われるよう。
新材で競ふ個性や鴉の巣 勇美
ハンガーなど様々な素材を集めて巣を作る、都会の鴉ならではの愉快な一句。新材を具体的なものにしてもより楽しくなるか。
富士山のすそ長々と桜えび 光枝